手つかずの自然が創り上げた九寨溝
さまざまな色に輝く神秘の景勝地
中国には「黄山より帰りて山を見ず、九寨溝より帰りて水を見ず」という言葉ある。
標高約3,000m、手つかずの原生林の中に大小108の湖、泉、滝などが分布する九寨溝は、四川省の西北部、南坪県の岷山山脈の奥に位置する、総面積6万ヘクタールの景勝地。地元民が「海の子」と呼ぶ湖は、山脈から流れ込んできた石灰石が沼底を浄化するため、透明度が30mと高い。日中には青、夕方にはオレンジなど独特の色を放つ。湖底に沈む倒木や植物に陽光がさしこみ五色に輝く様子はまさに童話の世界。空から落ちた女神の鏡が割れて湖になった、という伝説があるほどだ。透明の湖底の倒木には石灰が付着した白い「石灰華」が独特の表情をつくりあげる。石灰華には樹木の種が引っかかり、さらに苔などの植物が生えて森が広がっていくという。湖と湖の間を連なる滝が、銀色の糸のように谷あいを流れる光景は息を呑むような美しさだ。
ジャイアントパンダやレッサーパンダ、金絲猴など数十種の貴重な野生動物が生息する 自然保護区でもある。
遺産データ
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- 登録名
- 九寨溝の渓谷の景観と歴史地域
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- 種別
- 自然遺産
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- 登録年
- 1992年
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- 国名
- 中国
アクセス
飛行機で成都・重慶・西安から九寨黄龍空港へ。所要時間/約45分~1時間。※冬は九寨溝へのフライトがないので注意が必要。九寨溝国家級風景名勝区は1日の入場制限をしている場合もある。
空港から黄龍風景区入り口、または九寨溝風景区入り口へ(リムジンバス)。車で九寨溝・空港間。所要時間/約2時間。
バスで成都から九寨溝バスセンターへ。所要時間/約10時間。
黄龍から九寨溝バスセンターへ。所要時間/約3時間半。